私たちは、この世の全ての人に合う靴は存在しないと思っています。
足の形は個人差が大きく、例え数値の上で同じサイズの人であっても、浮腫み具合や痛みの感じ方には大きな個人差があります。
もともと、婦人靴専門のメーカーだったこともあり、
パンプスやサンダル作りを得意としていますが、
ヒールの高い靴やカットの浅いパンプスは、どうしてもコンフォートシューズやウォーキングシューズの履き心地には勝てません。
そのことをよく理解した上で、美しさと履き良さのバランスを追求し、できるだけ多くの人にとって履きやすく美しい靴を作れるよう日々設計を研究し、技術を磨いています。
ファクトリーブランドとして職人の技術と設計の力を掛け合わせて、もっとお客様に喜んでもらえるものづくりに挑戦し続けて参ります。
職人の靴作りに密着した動画をYouTubeで
公開していますのでぜひご覧ください。
靴作りにおける一番最初の工程である裁断。命の副産物である革と最も向き合う場面です。 製品に使用できない傷のみを避け、ほんの少しも無駄にせず革本来の風合いを生かし裁断していきます。 伸びる方向や表面のシボなどを確認し、刃型で抜いていく様はさらがらパズルのようです。
ZUCCOTTOの靴作りではそれぞれの専門の職人が各作業を担当しています。その中でも製甲師は特別な存在で、ZUCCOTTOの中で職人といえば製甲師を指します。 ミシン、糸、包丁、糊、テープに漉き機とたくさんの道具を自在に操りパーツの革を靴の形にしていきます。
ペンチで引っ張りながら釘を打っていく。靴職人の作業として最もイメージされる姿はこのつり込みの姿ではないでしょうか。製甲した革を木型に沿わせ立体に仕上げてゆく。靴作りの花形ともいえる工程です。少しの力加減で美しさも履き心地もかわってしまうとても繊細な作業です。機械は早くたくさんのものを作れますが、人の手による微妙な力加減は再現できません。ZUCCOTTOの靴作りでは機械の力を最低限に、人の力を最大限に活用しています。
丁寧に作られた甲革が木型につり込まれた様はすでにとても美しいものです。ですが底をつける事で初めて歩くための履物、靴が生まれます。木型ぴったりに加工された靴底をはり、ヒールを打ち付ける。靴本来の美しさ、機能美が生まれます。
「ZUCCOTTOの靴を履くと他はもう履けない」
お客様からそのようなお言葉を頂くことが多々あります。
その理由として、初めの設計へのこだわりが大きいのではないかと考えています。
ZUCCOTTOの靴は、内側にたくさんのクッションを入れていません。 ラインの美しさ、スタイリッシュさをなるべく損なわない範囲で足への負担 を減らせるように、パンプスのアッパー(甲革)部分のカットラインや木型の 微調整にはかなりこだわって作っています。
ZUCCOTTOの商品で使用している皮革は、 大部分が日本国内とヨーロッパより輸入された上級の天然皮革です。
天然の皮革は1枚1枚全て異なり、
また革の部分によっても、厚みや柔らかさが違います。
本革の靴は履いていくうちに自分の足に馴染み、
また通気性も良く蒸れにくいのが特徴です。
また、ZUCCOTTOでは、革の廃棄を少しでも少なく出来るよう、
工夫をして魅力あるものづくりを続けていきたいと考えています。
どうしても綺麗に使い切ることのできない部分も出てきます。
そのような端切れを靴の一部分の配色として、
またはコインケースやウォレットとして活用しています。
こちらもひとつひとつ手作りのため数に限りがございますが 店頭にて販売しておりますので ご来店の際はぜひお手にとっていただければと思います。
創業以来70年、「機械を最小限に、人の手を最大限に」という理念のもと、
私たちは靴づくりを通じて、お客様の足もとを支えてきました。
この理念は、単なる言葉ではなく、私たちの靴づくりに対する情熱であり、
お客様への約束でもあります。
靴づくりは、伝統と革新が常にせめぎ合う、奥深い世界です。
革は、自然が生み出す奇跡の素材。
日々進歩する皮革産業は、私たちに新たな可能性を提示し続けています。
また、時代とともに変化する人々のライフスタイルは、靴へのニーズを多様化させます。
例えば、快適性を追求する人、デザイン性を重視する人、機能性を求める人など、
お客様一人ひとりが抱く理想の靴は異なります。
私たちは、こうした多様なニーズに応えながら、
普遍的な価値を持つ靴を創り出すことを目指しています。
新しく生まれ、求められる革新的なデザインを取り入れつつも、
決して伝統を忘れることはありません。
熟練の職人が、一つひとつ丁寧に靴を仕上げることで、その靴に命を吹き込みます。
機械では再現できない、人の手によって生まれる温もりと、長年培われた技術が融合することで、
普遍的な美しさを備えた、長く愛される靴が誕生します。
日々進化する靴づくりの中で、私たちは常に初心を忘れずに、お客様の足もとを支え続けていきます。